-999-

□afar
1ページ/1ページ

この場所で
またオマエと再会を果たすことが出来たなら
今蓋を閉じ鍵をかける
俺の弱さに肯定も否定もいらない
自分だけが知っているなら
それで充分さ




生き急ぐようなふりをして扉を見送った
あの日の俺が欠かしたモノは何
あれから俺が得られたモノは何
街ではデモパレード
虚しい声
理解を求めることに疲れた子供達
口先だけで世界を嘲笑う安い大人
俺は今自分が何処に向かっているのかを知らない




重苦しい空
虚飾に満ちた灰色の夢
埋め合わせだけで作られた
偽物の感情
欺き続ける自分自身へ
どんな言葉をかければいい
俺の手の平にオマエが杭を打ち付けると言うなら
躊躇いもなく俺はその眼を潰す
退屈凌ぎに吐き捨てた
いつかの言葉達
今俺を囲う四方の黒い壁に
次々と滲み浮かび出す




もう戻ることは出来ないのだと
オマエだって気付いてるんだろ
心の何処かで感じている
消すことの出来ない胸の疼き
瞼を閉じても現実は終わらない




色褪せた光に
今も誰かの手を探している
ありえないことだと
理解をしているはずなのに
それを掴もうと望み
また独り手を延ばす




記憶に埋もれた
あの場面に
俺達は何かを忘れてきてしまった




ずっとそれを探している
全てが思い出せないまま
また今日も募る憂鬱
悲しみに似た苛立ち
繰り返し押し殺す





薄汚れた地図を閉じて
偽り続ける自分自身
途方に暮れる足跡に
これ以上何が続くと
オマエは考えるのだろう

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ