□原作沿い夢 double style(ハンター試験〜天空闘技場編)
□カストロ
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「…で?今日は敵状視察かい?」
「いえいえ」
「ちょっとあんたを近くでみたかっただけさ」
「へぇ。―――――で私の印象はどうかな?」
と、さわやかな顔しつつも居丈高にキルアに圧をかけてくるカストロさん。
…相当負けず嫌いですね、この人。
あからさまな挑発だけど、キルアのオーラもなんだかざわついてるっぽいから…まあまあキルアも負けず嫌いなんでしょうか?
ま、もしも始まっちゃったら適当に僕が仲裁に入りましょう。カストロさん試合前ですしそれは無いと思いますが。
…と思ったら意外にもキルアは力を抜いて、スルー体勢…。あれっ?
「ん、相当やるね」
「ありがとう。キルア君の絶もなかなか見事だったよ」
そう言ってカストロさんもにこりと笑ってリラックス体勢に。そして僕の方も見てきた。
「…良ければゼロさんの感想も聞きたいかな?」
「お強いですね。さすが自信の分だけあります」
正直な感想を述べるとカストロさんは満足したようだった。
ウイングさんもですけど、カストロさんはイケメンな分特にこういうさわやかな笑顔が似合いますよね。
「貴方にそう言ってもらえると嬉しいなぁ」
「はは、そうですか?」
「なにせ貴方は、あの"180階のエンジェル・スマイル"だからね」
…うええ、ここでもそれ浸透してるんですか…?;
「……カストロさんこそ買いかぶりすぎですよ。僕はそれほど強くありませんから」
「またまたー」
僕らの会話が気に入らないのか、キルアが横でむーっと頬を膨らませてるのが見えた。
僕とカストロさんの間に無理矢理割って入ってきて、会話を遮る。
「―――あのさ!!ひとつ聞くけど。さっきのって一体どうやったの?」
たぶん後ろに回ったこと指して言ってるんでしょう。キルアがそうストレートにカストロさんに尋ねる。
「…残念ながら教えられないな。いずれ君達とは戦うかもしれないしね」
まぁ…正論でしょうね。
「安心しなよ、オレもうここでこれ以上戦う気は無いし」
「そうかい?君のオーラはそうは言ってないけどな」
「…クスッ」
結局売り言葉に買い言葉じゃないですか。
なんか面白くて笑ってしまいました。
するとカストロさんもつられてか、愉快気に笑い出す。
「ははは、冗談だよ。答えは試合でお見せしよう」
そう言ってにっこりと笑って、カストロさんは控え室に戻っていく。
あ、でもドアを閉める前に何かに気づいたのか、最後にこちらを向いて訊いてきた。
「あー、そういえばサインだっけ?」
…そういえばそういう話でしたね。
「んにゃ?やっぱいいや、色紙持ってくんの忘れたし。じゃね!」
と、そっけなく方向を変えたキルア。僕もぺこりとカストロさんにお辞儀してからそれに続いた。
するとカストロさんがその僕らの背中に声を掛けてくる。
「バトルオリンピアで待ってるよ。……君達なら来れる」
「はい、ありがとうございます。…カストロさんも頑張ってください」
挨拶するとカストロさんはにこりと笑ってドアを閉めた。
「……戦わねーっつーのに。ゼロもあんなやつ応援なんかしなくていーって」
「ふふっ。…でもあの人が相手ならヒソカさんの本気も少しは見られるかもしれませんね」
「だといいけどねー」
そんな話をしながら、僕らも試合会場へと足を向けた。
つづく
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