□原作沿い夢 double style(ハンター試験〜天空闘技場編)

□出会いと別れ
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『……すいません……』


ウイングの宿からの帰り、ゼロがスゲー申し訳なさそうにオレ達に謝って来た。



―――悪いのはお前らで、ゼロが謝る理由なんて一つもないのにな?




『意外と僕が一番の原因かもしれません…』


そう言ってお前との…、元から不必要な"因縁"って奴を、ゼロは全部正直に教えてくれたぜ?




でもオレに言わせりゃその話だって、お人好しのゼロの事、オレ達と同じくカモにしようとしてついた都合のいい嘘に聞こえたし。

例え本当だったとしても、そもそも見当違いな逆恨みもいいとこだろ?



…ま、それも今となったらどーでもいいコトだけどね。



これっきりだったはずの"約束"破ってゴンに手ぇ出した挙句、ゼロにまでちょっかい出したんだ。




……だから今度はオレが教えてやるよ。






5月29日。


キルアvsサダソ。

試合開始10分前。






――――"約束"を破ったらどうなるか。






音も無く、気配も無く。

選手控え室へと侵入する。




――――ガキだと思ってオレを嘗めてかかったのがお前らの運の尽きだってことを。






鏡の前で笑っているターゲット。
今この瞬間に、オレ達を罠にかけて"してやった"と満足気に笑っている、目障りなそいつの後ろ首に―――


オレは持ってきたナイフを、ありったけの殺意と共に突きつけてやった。





「動くと殺す」



言うと、奴の動きがピタリと止まる。




「念を使うと殺す。声を出しても殺す。わかったらゆっくり目を閉じろ…」



鏡越しに伝わる、奴の恐怖。

今まで『食う側』だったはずの男の顔が、みるみる哀れな『食われる側』の表情へと変わっていく様には、さすがのオレでも少しだけ胸がすく。



「約束破ったらどうなるかわかったか?わかったらゆっくり目を開けて鏡のオレを見て、よく聞け」



後悔してももう遅いって事その目に、頭に、失くしたその腕に刻み付けて―――





「二度とオレ達の前に汚ねぇツラ出すな。……"約束"だぜ?」



今度こそな。




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