Clap!


□Make it up!(パチ、パチ)
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あたしは軽い気持ちで買い物に来ていた。
街を歩いてたら、見たくないものを見てしまって。



あたしに、9999のダメージが。

(あかん、即死や)



あたしの視線の先にあるのは、間違いなく一番愛しい恋人やのに。
彼女がひとりだったら、この偶然に喜んで神様に感謝した。

やけど、神様って残酷。


隣には、どこの馬の骨とも知らん男の姿。
いつの間に、とか思うたけど、時間はいくらでもあった。

(最近仕事が忙しくて構えへんかったからな…)(自業自得なんかな…)


楽しそうにしとる姿が目に焼き付いて、離れん。
隣にいるのはあたしの筈やのに。

ああ…あたし、もうすぐフラれてまうんやろか。





翌日、思い切って呼び出して聞いてみた。

追求するか悩んだけど、こそこそ付き合われるんは、嫌や。


「で、どうなん?」

「昨日って…昨日?見てたの?」

あっけらかんとしとる。
隠しもせえへん。

(ああ、あたしはもう終わりやな…)

「…ぷ、あはは、あれはお兄ちゃんだよ」

「…。あんな、嘘はつかんでもええねんで。あたしはわかってる」


「嘘じゃないよ、本当。仕事でこっち来てるって言うから」


「…………」


「何ならアルバム見せようか?」


見せてもらうと、実際昨日隣にいた男が、若い顔立ちながらも家族写真に写っとった。

これで疑いは晴れた。
あたしはほっとして、喜んで、ほんまやな?!て、抱き着いた。


「あーよかった!!もうフラれるんやないかと…」

「…何?ちえさんは、私が浮気して移り気したと思ったの?」


「…あ、え、そのな…ごっつ楽しそうやったからな…?」


怒った顔も可愛いんやけど、やけど。



ひどい!



(私はちえさんのことしか想ってないのにっ)
(ごめん!ごめんて!)(…っていうか、ソレほんま?)

(……………あ!)(い、今のナシっ)



...
柚希礼音 (星組)
...
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