遥かの本棚2

□檻の中の楽園
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『…まるで檻ね…』

ふと、誰にも聞かせるつもりなかった独り言が聞こえた

時の止まった夢の中の学校…
その中から出ることのない俺達は寄り添っている

『…なにがだ…』

どれくらいの時間が経つのか俺達には分からない
俺達は学校の閉じこもった時間にいるから

『ここ…時間のない私たちを閉じ込める檻』

『…忘れらんねえのか?』

ゆっくりと首を振る望美に少しホッとした

『…違うよ、ただ私たちは逃げたつもりで本当は捕まったんじゃないかなって…』




 
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