遥かの本棚2
□檻の中の楽園
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『…楽園だよね?』
呟いた言葉に俺は望美を見た
望美は答えを求めてるんだ
俺に…
あの日以来望美は心のどこかが壊れたみたいだ
なにかは分からない
でも…
俺も変わらない…
望美といるために何かを壊したから
『…二人だけの…?』
『うん、楽園。例え檻の中でも私たちを引き離すことは出来ないから』
そうだな
俺は望美を引き寄せ抱きしめる
『檻の中の楽園…か、もし誰かが引き離そうとしたらどうする?』
『…もし、そんな事があるなら私生きてないよ』
『俺もだ』