長編小説
□第9章
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「カオル、昼休み時間あるな。用件はわかっているはずだ」
冬休みが終わり学校が始まった。
カオルは朝一番にメノリにそう言われた。教室に入るとシャアラが凄い剣幕でこっちを見ているのがわかった。その時、横にいたルナとカオルの目が合うことはなかった。
「おい、お前なんかしたか?」
何も知らない男組みはカオルに聞いた。
「なぜ?」
「いや、絶対女子の様子がおかしいんだよ」
カオルの淡泊な答えにシンゴが言った。
「僕達が何を聞いても、後でって怒った風に言うんだよ。だからきっとお前が原因だと思うんだ」