長編小説
□第12章
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季節は夏休み。ルナ達も受験生のため浮かれてばかりはいられない。しかし、数日後のことを考えると顔が綻んでしまう。
(あと二日…)
そう。あと二日でカオルが帰ってくるのだ。ルナはそのことをかんがえると喜ばずにはいられなかった。
「ルナ…顔にやけ過ぎやで」
「え!?また?」
「またやない!何回言っとると思ってんねん!」
ここ数日、ルナとチャコは何度もこんなやり取りを繰り返していた。チャコも最初は大目に見ていたが、ルナがあまりにものため、いい加減呆れてきたのだ。
「チャコだっと嬉しいでしょう?」
「そりゃそうやけど…」
ルナはでしょう?と勝ち誇った顔をした。