長編小説
□第11章〜A
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カオルの誕生日を祝ったあの日。みんなが気を利かせてくれて、ルナがカオルを呼びに行った。
「カオル〜!!準備できたわよ!!」
カオルは眺めていた参考書を置くと、
「あ、それって参考書?ちょっと見てもいい?」
ルナの言葉にカオルは頷き、もう一度手に取りルナに渡した。
「うひゃー!!カオルこれわかるの?」
「パイロットになるんだからな」
それもそうよねと言い、ルナはカオルに返した。
すると急に寂しさが込み上げてきた。
「カオルは夢に向かって歩き出すのね…」
カオルは軽く相槌を打つ。
「カオル…」