長編小説
□第1章
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「いえ、気持ちだけで結構です」
ルナが丁寧に断った。
「何故です?」
「私達は宇宙船をもらう訳です。それに…」
ルナは言葉に詰まっていると、
「残りわずかな時間…最後まで自分達で生きたいです」
カオルの言葉にシャアラが
「残り少し…この空気を感じたいです」
そしてシンゴが、
「でも、もし良かったら僕達が最初に着いた島に連れて行ってもらえませんか?」
みんなの気持ちは同じだった。
最も長い時間を過ごし、ポルトさんのいる島にもう一度行きたい…。
アダムの仲間は「お安い御用です」と、心良く引き受けてくれた。