長編小説
□第9章
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ハワードは続けた。
「あいつらがあそこまで怒ったのは初めて見た」
「カオル、本当に何かしてない?」
命に関わる。そう言っているようだ。
「…後でと言ったのなら、後でわかるだろう」
カオルはそう言って席にもたれた。
そして昨日のこと思い出していた。
あの震えた目で自分を見つめた彼女も…。
昨日みんなで遊び終え、シンゴが気を利かせてチャコと帰り、それぞれ恋人同士で帰った。
「ねぇカオル?今日どうかしたの?」
ルナは今日のカオルの態度がいつもと違う感じに見えていた。