08/23の日記

14:14
戦バサ学パロ小噺
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携帯電話というツールがある。
世の中で爆発的に増えたコミュニケーションツールだと、眉間へ皺を寄せるようにして、机の上に置いている其れを見遣った。
「何睨んでるんだ?」
正直そこまで携帯するようなものでもないのだけれど(放置してたり充電切れだったりはあまり珍しくない)世間様では必須アイテムらしく、メールの返信が翌日になると何故か心配されたり電話がかかってくる。
「かすが、別に睨んでるわけじゃないんだけど」
「仇のようだぞ」
「そ、其処まで邪険には…してない、け ど」
自分に対しての重要性というのはあまりないのかもしれない。兄や姉からメールや電話が掛かってきたり、それが一番頻度が高い(ちゃんと生活してるかどうかという生存確認の意味合いが強いかも)特に双子の姉からはほぼ毎日メールが送られてくるし、珍しくこちらからも送ってる。
「待ってる の?」
「え…、いや、べ、つ…に…」
市からの質問をかわした途端にカタカタとメールの着信を知らせる携帯。特に待っているわけではないので眺めていればサブディスプレイにメールの着信を知らせる文字と送信者の名前が、表示された。
「真田、」
「…幸村」
「ふ、二人とも…なんだか、怖いんだ けど?」
確認するや否や、二人がほぼ同時に携帯を取り出しものすごい速さで誰かにメールを送っている。な、なんだろうこの雰囲気。気のせいか教室内の室温が少し下がったような。
「なななななんだ!織田!」
「遅い、」
「………」
「どうなんだ」
「あわわわわ!徳川くんに風魔くん!?」
血相を変えて(半ば泣きそうな感じ)徳川くんが教室へ滑り込んできたと思ったら風魔くんまでやってきた。相変わらず…うん、相変わらずかすがと市の纏っている空気は禍々しい。誰も寄り付かないし寄せ付けない。…正直怖いです、二人共。
「あ、あの…市、ちょっと雰囲気が織田先生になってるよ?」
「…全ては 気の せ い」
「気のせいじゃない気のせいじゃない。ね?心なしか影が伸びてるよ?」
「…………あ、」
織田先生みたいにライフルぶっ放されるよりよっぽどマシなのだけど、市も市で影が伸びて其処からうっかり手らしきものが出てきたりする現象が起きるから…か、ら、被害を未然に防ぐよう何故だか浅井先輩から仰せつかってる(何故私なんだろう)
「徳川くんも相当おびえてるから、落ち着いて?」
「…ごめんなさい」
落ち着いたのか影が相応の長さへ戻り(教室内にいるクラスメイトが即座に避難してたし。最近団結力というか避難行動は素早くなってきてる)雰囲気も落ち着いたので徳川くんの表情も落ち着いてきた。
「かすがも…ってかすが!何共謀してんの!?」
かすがと風魔くんの間にただならぬ空気が充満していたのは、見間違いでも気のせいでもない。確実に仕留める算段をしてたんだろう(よく元就先輩が醸し出してるから)誰?一体誰を仕留めるつもりだったの!?
「相手は真田だ…正面からぶつかれば相応の被害が」
「いやいやいや、そんな戦するわけじゃないんだし」
「何を言う!戦も同然だ!」
「そもそも何の為の戦…?」
「小太郎、家康、こんなところに……」
ふと届いた声はなんとも間の悪いことに本人の真田幸村こと幸くんで。
「に、逃げろ幸村!」
「は!? な、なぁあぁぁぁぁああ!!!」
即座に臨戦態勢へと移ったかすがと市が追撃し、徳川くんの叫びで何とか初撃をかわした幸くんが廊下を駆け抜ける。平穏な昼休憩が一変して戦場へと変わった瞬間だった。
「…と、止めた方がいい、よ ね?」
「止められるか?」
「……た、多分」
「……………」
風魔くんの指した先にはいつの間にやら二対二になっている場景。あぁ幸くんに加勢したのかただ単に暴れたいだけ(多分後者)なのか、宮本くんもいる。生徒会か風紀委員か先生が来るのは時間の問題かもしれないけれど、早く止めないと被害が…尋常じゃない被害が減るはず!
「ちょっと行ってくる」
掃除用具入れから箒を引っつかんで乱闘の傍らへと歩みを進める。幸くんと宮本くんはいつの間にか愛用の木刀を手にしているし、かすがは演劇用の小道具を、市は護身用の棍棒を手にしている(今更だけど怪我人が出てないのが幸い)久しぶりの実戦…に近いものだけど、本当に久しぶりなのでちょっと緊張する。二三深呼吸をして、乱闘へ踏み込んだ。

「…お前油断ならねぇ強さだよな」
「そう?…そう、かな?」
「でもこんぐらい出来ねぇと…野菜守れんしなぁ」
「だよね…」
「…………」
一足先に鎮圧へ成功して四人並べていたら、騒ぎを聞きつけた生徒会と先生方がやってきた。その様子を傍目に見ながら、怪我人がいなくてよかったなぁと逃避的な思考に浸った(徳川くんや風魔くんもそのうち出来るようになると思うんだけどなぁ)
あ、幸くんと武田先生の恒例行事が開始された。


乱闘は日常茶飯事。あれ?携帯の話はどこいった…。
鎮圧はもっぱら生徒会の武力行使(主に秀吉)か風紀委員の削除(主に浅井)。先生方が乗り出してくるのは最終手段(一度ノると収拾つかなくなる人ばっかだから)。豊臣は七不思議並みの年齢詐称疑惑があれば面白いと思う。でも竹中がいるから誰も安易に確認出来ない・なんて。
乱闘の規模が大きくなると家康の最終兵器「忠勝」が出動!なんだこの学校←

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