双子恋愛

□別人?それとも…
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桐青高校。

放課後のグラウンドには体育系の部活部員が汗を流す。



準太もその1人。


努力して努力して、認めてもらって。この大人数の中から勝ち取ったエースの座。



もちろん、貰った後もさらに上を目指し部活に励んでいる。














「…明日、ですか?」



部活終了後。
着替えている時にキャプテンで準太の捕手。
そして、心から尊敬している3年の『河合 和己』に話しかけられた。



「監督にはもう話してある。行ってみないか?」

「いいッスよ、全然」



笑顔で応えた。

大好きな先輩からの誘いなら、断る訳にもいかない。もちろん断る気もない。



すると後ろから、




「あっオレも行きたい!」

「え〜準太が行くなら慎吾さんも行きたいな〜」

「おいおい…」



後輩で控え捕手の『仲沢 利央』と、先輩でいやらしいの称号を持つ(噂だが多分本当)『島崎 慎吾』が手を上げた。



「準さんオレもー」

「重いっつの、和さんに言えよ」



後ろから寄りかかってくる利央を肘で押し返す。


河合は一瞬悩んだがすぐに「じゃあ3人で行くか」と笑顔で応えた。


やったーとハシャぐ利央。
そして島崎は「オレは入ってないのね」とため息混じりに言い、場を明るくした。


















「ただいまー」



すっかり日がくれた夜8時に自宅に帰ってきた準太。

それを迎えてくれたのは、今年で6歳になる弟。


母が再婚して、新しい父親との間に出来た子供。



「兄ちゃんお帰り!」

「ん、ただいま」



靴を脱ぎ、ポンとその小さな頭を撫でてやる。


すると嬉しそうに笑って走って行き、「兄ちゃん帰ってきたー」と親に言ったであろう声が聞こえてきた。




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