双子恋愛

□……あれ?
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部屋に飾ってある写真の中に、昔撮ったものが1枚ある。



引っ越しの時に撮った、元希と一緒に写ってる写真。


オレと元希の時間は、そこで止まってる。























「榛名の本気球は、1試合に一回見せるか見せないかだからな」


「見れればラッキーっすね」


「そうだな」





球技場に入って観客席のベンチに荷物を置いて座る。

「あー日陰だー」と、利央は嬉しそうに寝転んだ。今日は少し暑いからな。





昨日、部活から帰ってきて飯食って風呂入って。
その後の10時頃、オレは利央と電話をしてた。



利央とは家が近くて、引っ越してきてから最初に出来た友達。公園で遊んでた時に会ったのが始まりだ。

8年の付き合いもあり、仲はいい方だ。よくお互いの家に行き合ったり、昨日みたく電話もするし。





『準さーん…』


「なんだよ。そんなダルそうな声出して」


『明日さあ、見に行くじゃん…榛名』


「え……あぁうん。それが?」


『榛名ってさあ……バカだよね』


「…は?え、なにバカなの?」


『バカだよあいつ!!だってさあ!!』







(呂佳さんと美丞をフった…か)



いや呂佳さんをフったって言ったら……まあでもそうだよな。
その電話で、昨日利央はものすごくテンションが高かった。

だから多分、今も内心榛名に対して何らかの感情は抱いているだろう。





確かに、武蔵野よりは美丞の方が野球をするには絶対いいとは思う。

しかも、まだ見たことはないけど注目される程速い球を投げるのに、わざわざ無名にも近かった武蔵野に行った理由。ちょっと気にはなる。


だって武蔵野っつったらサッカーだろ。







「あ、武蔵野グラウンド入った」




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