双子恋愛

□視線だけ
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ガムがなくなった。しかも予備ももうなくなっていた。

カバンから出てくるのは、中身のない紙ばっかり。底に溜まりに溜まってる。


捨てろよな。秋丸の声が聞こえてきそうで気分わりぃな。



「ぅあああ…マジか…」



口が寂しいと思った頃なのに。そんな時にないのは腹たつ。


買いに行くか。
でも外は今さっき降り出した雨だ。めんどい、外に出たくない。



アメはあったけど、今食いたいのはガムだガム。
つかこのアメ…苺かよ。甘ったるいのはあんまし好きじゃねえ。



どうしよっかな……。








「元希ーっ牛乳なくなったから買ってきてーっ!」



リビングから聞こえてきた叫ぶようにオレを呼ぶ声。
この歳になればまるで天敵、姉貴だ。



「ふざけんなー自分で買ってこいーっ!!」


「無理っ!あたし今風呂上がりだからパンツしかはいてないからっ」


「上くだらねえ物さらすな!」


「なんですって!?」



パンツ姿って……なんで上はブラくらいはしないんだよ!オレしかいないからいいけど、誰か来たらどうすんだよ。

いや、いくねえな。見たくねえ。目の毒だあれは。



「ねーっ買ってきてよー」


「やだ、雨降ってるし」


「雨くらいどおって事ないわ。買ってきなさい」


「やだって……って入ってくるなよ!」



バーンと部屋に入ってきた…マジに下しかはいてねえし。

首にタオルを巻いて。手には牛乳。風呂上がりに一杯的な?それでなくなったのか。




つーか姉貴の……。





「……ちっせ」


「うるさい!!」



空の牛乳パックを額に食らって、財布と携帯をポケットに。

パーカーを上に着て、オレは傘を片手に家をでた。


ああもう……ついでだ、ガムも買ってこよう。







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