双子恋愛
□とりあえず願う
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「じゃあ、オレたちは先に行くから。早く来いよ」
「オッケーオッケー。心配しないで和己」
「和さん、オレの心配してほしいです」
「なーに言ってんだよ準太。慎吾さんがついてるだろ?」
「無駄に利央もいますが」
「無駄ってなんですかっ!」
抽選会が無事終わり、オレら桐青高校は西浦高校という所と初戦当たる。
今年から硬式になって、今大会初出場。初出場で去年優勝したうちと当たって、記者にすげー囲まれてたな。
…本当なら、ここで学校に帰って、初戦に向けてのミーティングして、気ぃ引き締めて練習して…のはずだったのに…。
「準太っ準太っ。オレらあそこに隠れてみてるから」
「なに話したか後で教えろよな」
「準さん誰に会うのー?」
あんたら!特に3年生!!こっちより別に大事な事があるだろうが!!
誰に会うの?オレが知りてえよ!
性別も教えてもらえない。どこの学校の奴かも教えてもらえない…つか会いたい奴って学生?
てかどこにいれば来るの?
オレの顔……まあ分かるよな。知ってるから呼んだんだろうし。
……でも正直言って…。
「…帰りたい」
「「だめ」」
「……」
武蔵野第一高校見つけるのも忘れてたし。
榛名元希は、オレが知ってる元希なのか確認出来るチャンスだったのに…。
前の武蔵野の試合を見に行った時、そしてうちが練習試合に行く時にコンビニでと。
コンビニでは、オレは見た訳じゃなかったから、でもなんとなく自信があって……。
ああああなんで今日…もう……。
「はあ…」
「準さん、大丈夫?」
「もう…早く帰りたいよ」
とりあえず願う
(1、早く帰りたい)(2、早く終わりますように)
「じゃあ準太。ナイスリアクション期待してるから」
「だから誰が来て何されるのオレは」
「準さん!なんかあったら…オレ頑張るから!」
「何をだよ」
END.