双子恋愛

□先輩は見守る
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「…なあ山ちゃん」


「なあに慎吾」


「武蔵野の榛名、今から準太に会いに来るじゃん?」


「うん」


「……言ってた事、本当だと思うか?」


「兄って話?」


「ん」


「…んー………準太に上がいるなんて話聞いたことないし。弟はいるけど」


「あぁ、まだ…5才くらいだったか?」


「準太んちって、あれじゃん?お父さん違うしょ」


「再婚。母親は本当だったっけ」


「弟はその今の両親の間にできた子…だったハズだけど」


「考えてみりゃ、再婚前の話とか聞いたことないな。利央との話くらいしか聞かねえや」


「あんま聞くもんでもないしね。聞けないし」


「準太も言わないしな。語るのはゲームばっか。あと和己」


「あははっ、だねえ」


「……」


「……」


「…武蔵野の榛名が、兄」


「しかも双子の。ちなみにお姉ちゃんもいる」


「似てなくね?」


「まあ、よく見たら似てるのかも?」


「目からまず違うじゃん。準太はタレ目だけど、あっちつり目」


「二卵生?とか」


「あーっ、なるほど。……いやでも」


「まあ考えても、今からその決定的瞬間に立ち会える訳ですから。すぐ分かるよ」


「ふう…だな。…つか、双子説が本当なら、なんであいつら同士で連絡取り合わないんだよ」


「そーこーはっ。両親の離婚という悲しい過去からきてるんだよっきっと」


「よく分かんねー」


「慎吾はバカだからねー。だからいやら慎吾なんて言われるんだよ」


「それ関係ないだろ」


「準太ーっ慎吾っていやらしいよねーっ!」


「叫ぶなよ!」


「あぁ…そうですね」


「準太!?」


「つかまだ来ないんスか?利央もいねえし」


「利央は喉渇いたからって自販機行ったよ」


「あー頼めばよかった」


「やめとけ、あいつ金ねえんだから」


「じゃあ慎吾おごってー」


「いやらしい人におごられたいんですか?」


「うわーっ慎吾とうとう認めた!」


「準太限定でいやらしい人になるから」


「ぅわっキモ!」


「準太ひでえ」


「あ。つい…」


「………あ、利央帰ってきたんじゃない?」


「めっちゃ走ってる。なんでよ」


「なんも持ってないし」


「金でも足りなかったか?」


「アホりお」


「……っ準さあああんっ!…っ、帰ろう」


「はあ?」





「……あ、山ちゃん山ちゃん」


「んー?…あ」


「来たな」


「来たねー」

先輩は見守る
(そりゃ大事な後輩だし)(…面白そうだし?)




「利央っこっちこい!!」


「えっえっ?えーっ!?」


「利央邪魔だよっ!っじゃあガンバ準太!!」


「えっ、あ……」





END.

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