双子恋愛

□第一声は、「  」
1ページ/3ページ






「準太ーっ慎吾っていやらしいよねーっ!」


「叫ぶなよ!」




何を話したらそういう流れになるとかという考えは、無意味。




「あぁ…そうですね」


「準太!?」





携帯を構って時間を潰すオレはかれこれ5分程突っ立って、オレに会いたいという人物を待っていた。




テトリスも、レベル14になれば速い速い。
話しかけられた瞬間、ゲームオーバーになってしまったが気にしない。

ぱくんと閉じて、ポケットへ。



まだ来ない人物に苛立ち、仲のいい先輩らに近づく。
まだ来ないんスか?と聞いたと同時に、目立つ天パがいない事に気づく。
利央もいねえし、と付け足す。




「利央は喉渇いたからって自販機行ったよ」


「あー頼めばよかった」



ついて来ただけの奴が、なに喉渇くんだ。つか行くんだったら一声オレにもかけろよな。



「やめとけ、あいつ金ねえんだから」


「じゃあ慎吾おごってー」


「いやらしい人におごられたいんですか?」


「うわーっ慎吾とうとう認めた!」



キャーッとハシャぐ山さん。
にやーっと笑って、オレを見る慎吾さん。



「準太限定でいやらしい人になるから」



と。



「ぅわっキモ!」



と。素で言ってしまった。
準太ひでえと眉を下げた慎吾さんに、つい…と答えた。

オレ限定でいやらしい人って、本気でちょっと待ってくださいって感じだ。


ただでさえスキンシップの多い人ら(山さん含む)なのに、集中攻撃されたらさすがに、泣く。
ま、大げさに言えばな。





「………あ、利央帰ってきたんじゃない?」



遠くを見て山さんは楽しそうに、軽く言った。

その声に、オレと慎吾さんもその方向を向いた。
その向こうには、








「めっちゃ走ってる。なんでよ」



.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ