しょーと

□空から赤い男の子が降ってきた!
1ページ/1ページ




バイトが終わり、疲れた体を引きずるようにして家に帰る。高校生になってからの私の生活だ。月に一度、親からの仕送りもあるが遊びに行けるほどの余裕はなく、寧ろ食費も危うい状態。特に入りたい部活もなかった私はバイトに青春を捧げることになったのだ。

今日も今日とて変わらない生活を送る、筈だった。学校行ってバイトしたところまではいつもどおり。帰り道、空気を切り裂くような、なにかが落ちてくるような音と男の子の叫び声が聞こえてきた。気のせいだと思ったけどだんだん音が大きくなってくる。上を見上げると赤い物体が物凄いスピードでこちらに向かってくるのがみえた。近づくにつれてそれが人の形をしていることがわかる。


「どけぇぇぇぇっ!!」


なにかを叫んでいるがいまいち聞き取れない。手を大きく振り回し私に伝えようとしている様だがよくわからない。ジタバタと体勢を変えようとして、地面に激突した。
「ぐぇっ」
ぐぇ、だけで済む高さだったのだろうか。声を上げてからぴくりともしなくなったが、どうやら生きているようだ。べつにほっといてもよかったがここは道路のど真ん中だ、車が通ることもある。幸い、彼から中身がでているわけでもないし、彼自身が大して大きいわけでもない。私でも引きずっていけた。家まで距離があるが、まぁなんとかなるだろう。




空から赤い男の子が降ってきた!



(自殺願望者?)




尻寺復活おめ
続きます


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ