しょーと

□ツンデレボーイ
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「あ」


見知った赤茶の頭を見つけて思わず声がでた。久しぶりに見た彼は相変わらずの仏頂面で、オーダイルと歩いていた。

「シルバーちゃん!」

後ろから飛びついてやった。すると彼は顔をトマトみたいに真っ赤にして私を振り払おうとするから素直に離れてやる。久しぶりだね、と言うとああ、と素っ気なく返された。でも顔はまだ赤い。可愛いなぁ、と心の中で呟く。本人に言うと怒られちゃうもんね。
「で、何の用だ」
特に用はないって言ったら怒るかな?
「バトル、しよ!」
モンスターボールを見せれば彼はオーダイルを前にだす。開閉スイッチを押すと私のパートナーであるヒノちゃん(バクフーン)が出てきた。ヒノちゃんは相手を見て少し嫌そうな顔でこちらを見る。まぁ、タイプの相性はこちらが不利なのだけれども。

「ヒノちゃんにほんばれ!」
「アクアテール」
「避けれるだけ避けてふんか!」
「かみくだく」
「そのままソーラービーム!」
「…ハイドロポンプ」
「え、うそ!勝てたと思ったのに」

びしょびしょになったヒノちゃんに駆け寄ると恨めしそうな顔をされた。タオルで軽く拭いてボールに戻す。

「ワニちゃん、強くなったねぇ。シルバーちゃんは凄いや」
「あ、当たり前だろ。強くなる為に修行してるんだ。おまえなんかに負けるわけがない」

行くぞ、と言い残して歩いてくシルバーちゃん。ふと立ち止まってこちらを見る。

「おい、行かないのか」
「え?」
「ポケモンセンター行くんだろ」
「…うん!」

ちょっと走って、シルバーちゃんに追いついた。ずんずん進んでいく彼の腕に手を掛けると少しゆっくりになる。

「ありがと、シルバー」





ツンデレボーイ








+++
速攻噴火型なヒノちゃん


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