しょーと
□空から赤い男の子が降ってきた!3
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「おはよう、グラビティ君」
「…はよ」
目を擦りながら椅子に腰掛けるグラビティ君。大きな欠伸をしながら朝食に手を伸ばした。
「眠かったら寝ててよかったのに」
茶碗を手渡して向かいに座る。グラビティ君は返事とも唸り声ともとれるような声をあげてウインナーを3つも口に放り込んだ。ぼやぼやしていたらおかずを全部食べられてしまいそうだ。私も卵焼きに手を伸ばした。
「私はこれから学校行っちゃうけど、グラビティ君は今日どうするの?」
「…寝てる」
お味噌汁を一気に飲み干して、どうやら食事は終わったようだ。
「お昼は一応、用意しておいたから。食べたくなったら食べてね。家とか物を壊さない範囲だったら好き勝手に使ってくれて構わないよ」
おー、と気の抜けた声でソファーに倒れ込んでいった。そんなに勢いよく倒れたら壊れちゃうよ。
「なんかあったら電話して」
「…おぉ。いってら」
ソファーからとびだした手がヒラヒラと動く。そっか、この家にいるのは私だけじゃないんだ。見送りの言葉をかけてもらえるなんて久しぶりだなぁ。なんだかこそばゆいぞ。
「ふふ、行ってきます」