創作

□HatRed
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「そんな悲しいこと言わないで・・・」

私には、もう貴方しか残されていないというのに。


誤魔化して、嘘をつく。
そんな日常や関係は長く続かなかった。


hatredにはhatredを育成する義務と責任があると、メッチェンに教えられた。
hatredの候補の見込みがある者を発見したら、保護しなければならないと。



「いやっ!!!ねえっ、置いていかないで!!」

私は泣き叫んだ。

双子の少年が、私を取り押さえる。
嫌だ。
行かないで。
また私は・・・・。


「無駄だ。お前の育成は俺たちが引き継いだ。育成責任から逃げたあいつは・・・裏切り者だ」

「離してよお!!メッチェンは裏切ってなんかいないっ!!!」




メッチェンは、私を結合双子に託した。
実質、私を捨てた。
その後、他の候補者を育成しているらしい。


その候補者やメッチェンに対する憎悪に比例して、私の体は小さくなっていった。

どうして私は必要とされないの。

なぜ叶わないの・・・?








いつだって、私は弱い。



メッチェンの育成している候補者には呪声帯があるらしい。

・・・だから?
だから、あの女に執着しているの?

だから私のこと殺したんだね。


『ムならもう息してないよ』




メッチェンにとって私はなんだったのかな。
都合のいい手下?
泣き虫な出来損ない?



「お前の肉体は完全にボロボロだ。再生はもうこれっきりだ」

「うん・・・」

体中に、縫い付けられた痕がある。
傷はまだ痛い。

「七日間だ。それまでしか・・・保つことはできない」



「・・・・・はい」




私は、貴方にとってそれ以上になれたのかな?

今からでも、それ以上になれる?
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