創作

□HatRed
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case2 俺とキミの酷似点


「つまりこういうことだ。俺とキミは酷似している」

真っ白な髪で真っ白なセーラー服の少女が、フォークの先を私に向け言った。

「・・・何が言いたいのか分からないって顔してるね?」

困ったように少女が言った。
そりゃあそうだ。

私と少女は、古びた大きな館の食卓に座っていた。
きっとこの館は廃墟なのだろう。
ただ、分からないことが多すぎる。

・・・私は一体どうやってこの館に来た?

ついさっきまで、私は教室にいた。
この手でクラスメイトの首を締めていたのだ。
そして突然、目の前にこの少女が現れ、クラスメイトを惨殺し始めたのだ。

その後の記憶がすっぽり抜け落ちている。



「・・今言ったことが、貴女が出現した理由にはならないわ」

動揺する気持ちを抑えて言う。
この少女の目を見ていると、不可思議な気持ちに襲われる。

怖いような、懐かしいような。


「ふふ・・・まあそうだね。質問はある?」
微笑む姿は、まるでごく普通の少女だ。
でも、それは違うのだ。
この少女はクラスメイトを・・・文字通り『全員惨殺』したのだから。

でも、クラスメイトを惨殺されても、なんとも思わない私も異常なのかもしれない。

「じゃあ、質問させてもらうけど」
「どうぞ」
「貴方の一人称はなぜ俺なの」
「癖だよ」
にっこりと少女が笑う。
どう考えても、この少女に『俺』はあまりにも不自然だ。
どこか言いなれていない気もする。
「・・・・貴方と私が酷似してるとは思えないわ」
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