ノマカプ小説
□紅葉散りて
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今日はひとりになりたい。
なんとなく、そんな気分だった。
だから、ソウルに何も言わないで、そっと家を出た。
と言っても、行きたい場所なんて無いのだけれど。
出掛けたいとか、そういう気分じゃなくて、
辿り着くところまで歩いてみたい。
そんな、あやふやなカンジ。
適当に歩いていたら、
ひらり。
紅く染まった紅葉が落ちてきた。
ふと見上げると、大きな木。
そこは、たまに訪れる公園だった。
ベンチに腰掛ける。
つい数日前は立ちくらみがするくらい暑かったのに、今日は少し肌寒い。
ひらひら舞う紅葉を見て、もうこんな季節か、と思った。
マカは目を閉じ、風を受ける。
その時、
前方に何かの気配を感じて、すぐに目を大きく開いた。