ノマカプ小説

□紅葉散りて
2ページ/3ページ

 

「ソウ……ル…?」


「こんなとこで何やってんの?お前」


風が吹き、紅葉が舞い上がっていく。



ソウルの透き通るような紅い瞳には、紅い紅葉は映らない。


でも、


自分が映ってるのは見えた。



「……ソウルこそ、何でここにいんのよ」

「別に?ただ、歩いてたらここに来ただけだ」



沈黙。










  ……ゴーン

ゴーン……

   ゴーン……


気まずい沈黙を破ったのは、12時を告げる教会の鐘。

「――帰るぞ」

「うん」









なんで急に一人になりたくなったのかはわからない。

でも、


一人で歩いて来た道を二人で帰ってるとき、



少しだけ優しい気持ちになった。



たぶん、


あなたの紅葉みたいな紅い瞳が、


すごく優しく、
輝いていたから。







ねくすと・あとがき
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ