ノマカプ小説
□紅葉散りて
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「ソウ……ル…?」
「こんなとこで何やってんの?お前」
風が吹き、紅葉が舞い上がっていく。
ソウルの透き通るような紅い瞳には、紅い紅葉は映らない。
でも、
自分が映ってるのは見えた。
「……ソウルこそ、何でここにいんのよ」
「別に?ただ、歩いてたらここに来ただけだ」
沈黙。
……ゴーン
ゴーン……
ゴーン……
気まずい沈黙を破ったのは、12時を告げる教会の鐘。
「――帰るぞ」
「うん」
なんで急に一人になりたくなったのかはわからない。
でも、
一人で歩いて来た道を二人で帰ってるとき、
少しだけ優しい気持ちになった。
たぶん、
あなたの紅葉みたいな紅い瞳が、
すごく優しく、
輝いていたから。
ねくすと・あとがき