シュバルツ短編

□Liebeskummer
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『すき』というきもち


それはとても深くて、温かい気持ち













『Liebeskummer』











「キスしたこと、ある?」

それが、すべての始まり。











「は?」

ケヴァンは思わず声をあげた。

今、何だと言った?
ケヴァンは混乱した。

それに、奏は。

「だから、…その。キス、したことがある?」

ちょっと恥ずかしげに、再び問い掛けてきた。
これに、ケヴァンは聞き間違いでなかったことを改めて思い知らされた。

しかし、何故。

「どうして、いきなりそんなことを聞いたんだ?」

ケヴァンは素直に疑問を口にした。

だって、突然そんなことを問い掛けられたら気にならないわけないだろう。

しかも…キス、だなんて。
そして、それを聞いたのが奏だなんて。



気にかからない、わけがない。


それに奏は困ったように俯いた。
でも、やっぱり気になるのか、すぐに顔を上げ。


「だって…内海が」

アイツか…。

ケヴァンはその一言ですべてを悟った。
奴がまた何か、くだらないことを奏に吹き込んだのだ。

「それで?何を吹き込まれたんだ?」

ケヴァンが促すように聞くと、奏は渋々といった感じでポツリと呟く。


「えっと…ケヴァンは顔がいいし、もてるだろうから絶対一回や二回…経験してる…って…」

段々萎んでいく奏の言葉に、ケヴァンは大きな溜息をついた。
やっぱり、いらないことを吹き込んだんだな。

ケヴァンはすぐに理解した。


「あの…それで?」

そこに響く、小さな声。

やはり興味惹かれるのだろう。
不安げに見詰めながらも、それでも好奇心いっぱいに尋ねてくる。


それにケヴァンは大きく溜息をついた。




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