シュバルツ短編
□Schlafchen
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ただ隣にいるだけ
ただ、それだけ
それだけで…
『Schlafchen』
窓の外は真っ暗。
唯一照らすのは、月の光だけ。
本来なら、眠りにつく時間。
でも。
「眠れない…」
奏は天井をぼんやり眺めながら呟いた。
しっかり開いた目は、さっぱり閉じる気配がない。
脳は眠いと訴えかけているのに、体はそれに従ってはくれない。
「どうしよう…」
奏は困ったように呟いた。
まさか不眠症とは思わないが、何故眠れないのかと思うと、気になって仕方なくなる。
それが気になって、さらに眠れなくなる。
まさに悪循環、といったところである。
奏は小さく溜息をついた。
でもどうしたって、眠りが訪れることはなかった。
「…どうしよう…」
奏は再び呟いた。