シュバルツ短編

□Fessel
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見下した感じが嫌いだった。

でもそれは、奏にとっては『頼れる』ということになるらしい。


まぁ、それは確かだ。
実際強いし、知識も豊富だし。

非常にムカつく、と内海は感じているが。



でも、やはり彼は大人で。


奏を大事に、包み込むように守っている。


それは、確かな事実であって。





内海は知らず、溜息をついた。


そして目を逸らす。

喧嘩しているようで、結局はいちゃついている2人を見ていたくなかったから。









































大事にされてる


それはムカついて目を逸らしてもわかってた



大切に、大切に


守るように抱く、包み込むような


親が子を守るような




そんな愛だと思った







―でも




…でも















夜も半ばを過ぎた頃。

内海はふと目を醒ました。



特に意味もなく。
本当にふと、起きてしまったのだ。



でも、それは。
これからのことを思えば、何かの暗示だったかもしれないと思うわけで…。




内海は寝惚け眼を巡らせて、隣にいるはずのケヴァンと奏の姿がないことに気づいた。

時計を見てみれば、夜中も夜中。
普通ならぐっすりと寝ている時間だ。

一瞬トイレかとも考えたが、2人で行く…という必要はあるだろうか?

いや、ケヴァンが奏を心配してついて行ったということも考えられるが…。
だが、高だがトイレに行くだけで奏がわざわざケヴァンを起こすとは思えない。

だからこそ、気になる。

同時に姿を消した、2人に。


一気に目覚めてきた眼を開きながら、内海は布団の中から抜け出した。





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