短編

□たまには、こんな日
2ページ/4ページ




思い出されるのは、あの頃のこと…。










「ルルーシュ!ルルーシュ〜!?」


スザクは遊びの約束をしていたのに、中々こないルルーシュを探していた。

ルルーシュは約束をちゃんと守る人だ。
現に、今までスザクとの約束は全部守っていてくれていた。

なのに、今日は何故かルルーシュが来ない。

スザクは不安で仕方なかった。



事故にでも巻き込まれたのだろうか。

怪我でもしてるんじゃないだろうか。


スザクの中に、嫌な予感が生まれる。



どうしよう…。
視界はぼやけて、涙まで出てきた。


不安で、不安でしょうがない。




「ルルーシューー!!」



スザクは必死にルルーシュの名前を呼んだ。






と、そんな時だった。


視界の端にルルーシュの黒髪が見えたのは。



「ルルーシュ…。ルルーシューー!!」

スザクは瞬間、ルルーシュの名前を呼びながら一生懸命駆け寄った。

早く、ルルーシュの元に行きたかった。
そして、ちゃんとルルーシュの姿を確かめたかった。





「ルルーシュ…」
スザクはやっと、ルルーシュの元へ辿り着く。


そして、そんなスザクが見たものは…。



「寝てる…」

木にもたれて寝てる、ルルーシュ。




スザクはほっと、息をつく。

怪我とかしてなかった…。ホントに良かった。
そう思った。





安心したら、一気に力が抜けた。

スザクは、ルルーシュの隣に静かに腰掛ける。



そして何となく、ルルーシュの顔を見た。







ルルーシュは、本当に穏やかに眠っている。

その顔はいつもの大人っぽさが抜けて、年相応の子どもに見えた。





可愛い…。

スザクは、そう思った。

決して本人の前ではいえないけど。
きっと怒られるから…。


でも、本当に可愛かった。







そんなルルーシュを見て、スザクはある悪戯を思いつく。





悪いかな?とは思う。

でもやっぱり…スザクだって子どもだ。

悪戯だってしたい。





スザクは、ルルーシュを起こさないようにそーっと近づく。



大丈夫かな?と思って、ルルーシュを見るが、起きた様子はない。

よしっ!と小さく気合を入れ、スザクは悪戯に取り掛かった。


























「ん…」

突然の声に、過去にトリップしていたスザクの意識は一気に引き戻される。

そのせいで肩が大きく揺れてしまい、結果ルルーシュを起こしてしまうこととなった。


「…スザク…」

起き抜けの、不機嫌な声でルルーシュがスザクを呼ぶ。
それに対し、スザクは怯えながらもルルーシュのほうを見た。

そこには、やっぱりというか何と言うか、不機嫌な顔のルルーシュ。


あ〜、どうしよう…。

スザクは悩んだ。


起こしてしまったのは悪かったけど、最初にきっかけをつくったのはルルーシュだ。



・・・といっても、今のルルーシュが納得してくれるわけはないだろう…。




スザクは、小さく溜息をついた。


ここは、大人しくしてたほうがいい。





スザクは降参、というふうに苦笑いを浮かべた。





そんなスザクに対し、ルルーシュはニヤリと意地の悪い笑みを浮かべる。


スザクとしてはドキドキだ。
どんな仕返しがされるのか…。






「スザク」


考えてたら、ルルーシュに突然名前を呼ばれた。

え、と思ってスザクは顔を上げる。





すると…。





頬に、柔らかい感触を感じた。


何が何だかわからぬ内に、その感触は消えていった。







次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ