シュバルツ短編

□Schlafchen
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断れるだろうな、と思って言った見たこと。


でも、返ってきたのは。

「…いいぞ」

意外な答え。


奏は驚いて目を見開いた。


「ほ、ほんと?」

奏がもう一度聞き返すと、ケヴァンはそっぽを向いたままそれでも小さく頷いた。


それを見て、本当なんだと奏は確信した。



「ありがとう!」


奏は嬉しくて、笑顔でケヴァンに微笑みかけた。


そんな奏を横目で見ながら、ケヴァンはもう一度小さく頷いた。



「じゃあ」

ケヴァンの様子を見た後、奏は毛布をベットから取ってきた。
そして。


ふわり。

「おい」

ポス。

「えへへ」


奏は布団を持ちながら、ケヴァンに抱きついた。


「一緒だったら寝れそうな気がするんだ」


そう笑う奏に、ケヴァンは一度目を見開いてから、すぐに小さくため息をついた。

そして。



「だったらさっさと寝るぞ」


さっさと奏の手を引いて、ベットのほうへと連れて行った。

抱きついたままの奏を、離さずに。


そんなケヴァンの気遣いを嬉しく思いながら、奏はケヴァンに身を預けた。


温かい、温度。
ケヴァンの優しさ。


ついたベットに一緒に横たわりながら、奏は思う。




(これなら眠れそう)

と。




たった一つ。

君が隣にいることで。



(とても、安心できる)



何でかな?
どうしてかな?



それがわかるのは、数日後










「ケヴァン、大好き」


数日後の奏は、嬉しそうに笑った











end.



Schlafchen
『眠り、うたたね』


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