短編
□捕らわれ姫君
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あぁ、いっそ籠の中に閉じ込めてやろうか…。
『捕らわれ姫君』
目を覚ますと、そこは薄暗い空間が広がっていた。
周りを見て、確認する。
どうやら普通の部屋らしい。
そして自分はその部屋のベットに寝かされていた。
どうして、ここにいるんだろう?
スザクは必死に記憶を手繰り寄せる。
そして、
思い出した。
クロヴィス殿下の殺害容疑で捕まえられた自分。
そしてそれを助けてくれた人…ゼロ。
彼は正義を行いたいなら自分の下へ来い、といった。
でも、スザクにはそれができなくて…。
だから断って、軍へと帰るつもりだった。
だけど…。
『馬鹿だ』といい、自分に近づいてきた彼。
そして…次の瞬間、腹部に強い痛みを感じて意識を失った…。
スザクはそっと目を閉じる。
頭に巡るのは、意識を失う前、ゼロが言った言葉。
…あぁ、いっそお前を籠の中に閉じ込めようか…
それは、どういうことなの?
答えが返ってくることはないと知りながらも、スザクは心の中で問い掛けた。