短編
□みるくにはちみつ
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暖かなミルクにハチミツを入れよう。
そうすれば、甘く甘く溶け合うから。
『みるくにはちみつ』
「今日は寒いね」
スザクが手を擦り合わせながら、小さく呟いた。
確かに、この頃めっきり寒くなった。
ルルーシュも同意するように頷いた。
外では木枯らしが吹いている。
木々もすっかり葉を秋色に染め、たくさんの葉を地面に落としていた。
「寒いな…」
そんな情景を見ながら、今度はルルーシュが呟く。
それにスザクも頷いた。
二人はどちらから言うでもなく、体をぴったりくっつけた。
じんわりと広がる相手の熱。
暖かくて暖かくて、もっともっととくっつけた。
そういえば、とルルーシュは思い出す。
昔にも、こんなことがなかっただろうか…。
そんな時、
「ねぇルルーシュ。昔もこんな風にしたことあったよね」
スザクがルルーシュに確かめるように問い掛けてきた。
二人とも、考えてることは同じだった様だ。
ルルーシュはスザクに微笑みかけた。
そしてスザクもルルーシュの意図を察し、微笑み返した。