短編

□寒い朝に
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『寒い朝に』







耳元で、『起きろ』と言わぬばかりに目覚まし時計が煩く鳴っている。

スザクはそれから逃げるように布団にもぐりこんだ。

まだ、眠い。
後5分…。

そんな言葉が頭に浮かんだ。



がしゃん!



突然、そんな音共に煩く鳴っていた目覚ましの音が途絶える。
スザクは丁度よかった、と思ってぬくぬくとした布団に身を委ねた。
だって近頃の朝は寒い。
だから、布団から抜け出せなくなる。
今日もまた、とても寒かった。


スザクはさらなる温もりを求めて布団にもぐりこむ。
そして、ふと手にとても暖かいものが触れた。

見つけた途端、スザクは無意識にそれに縋りつく。
それはスザクの見込み通り、とても暖かかった。


が。

「?」
何だか、感触が…変だ…。
スザクは不思議に思って、『暖かいもの』に手を滑らせる。

すると…。
「…ん…」
突然、声が聞こえてきた。
しかもかなり近い。

何だか嫌な予感がする。
でも、人間とは所詮好奇心の塊である。
スザクもまた、同じだった。

恐る恐る、スザクは『暖かいもの』の正体を探る。
感触だけではわからない、だから直接目で確かめなければならない。
だけど、布団にもぐりこんでいては見えない。
だからゆっくり、布団から頭を出した。


と、その瞬間目の前に見えたのは…。

「…………る、る、ルルーシュ!!!!」

ルルーシュの顔。
しかもドアップ。

スザクは思わず叫んだ。






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