短編

□夢色ドロップ
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僕らはあの頃、まだ夢を見ていた

幸せで、どうしようもなく甘い夢を











 『夢色ドロップ』











今日の天気、晴れ。

絶好の秘密基地づくりの日和だと、スザクは思った。


「ルルーシュ〜!」

スザクはルルーシュが寝ているであろう部屋に飛び込み、ベットに思いっきりダイブした。

「ぶっ…!!!」

寝ていたルルーシュが潰れたような声を出す。
これだけ思いっきりやれば、当然だろう。


「起きた?」

ニコニコしながらスザクはルルーシュに問う。
それに対し、ルルーシュは、

「…起きるだろう…普通」

そう言って、布団の中から不機嫌な顔を覗かせた。

そんなルルーシュを見て、スザクは楽しげに笑う。
今日の悪戯は成功。
ちなみにいつもの仕返しの意味でもばっちりである。

そのためとってもご機嫌なスザクは、にっこり笑顔でルルーシュを早く早くと急かした。

「さぁ、早く起きて!今日こそ秘密基地完成させるんだから!」

それと同時に腕まで引っ張られてベットから引きずり出されたルルーシュは、まだ眠そうな顔をしながらも何とか起き上がる。
が、ふと視線を窓の外に向けてルルーシュは首を傾げる。

「…スザク、今何時?」

ルルーシュは浮かんだ疑問をそのまま、スザクにぶつける。
そんな疑問を問い掛けられたスザクと言えば、それはもう楽しそうに微笑み答え返した。

「6時!」

その答えを聞いた瞬間、ルルーシュの表情が一瞬固まる。
そしてその一瞬後には、顔を怒りの表情に変え、一気に怒鳴った。

「スザク!!!!」

怒鳴られたスザクは、『わー』と全然緊張感のない叫び声を上げながら、ドアのところまで一目散に逃げる。
そして外まで逃げてからドアからぴょこんと顔を出し、悪戯が完全に成功したような笑みを浮かべた。

そして、
「早く準備してね〜」
とだけ言い残し、パタパタと足音をさせながら、元気に去っていった。


残されたルルーシュは、『やられた…』と悔しげに肩を落とした。








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