短編
□猫の夢
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僕はどうしても言いたかったんだ
だから貴方に伝える言葉が欲しかったよ
『猫の夢』
「♪〜」
スザクは今日も鼻歌を歌いつつ、可愛い可愛いあの子のもとへ向かっていた。
今日もたくさん撫でてあげよう。
たくさん遊ぼう。
スザクは上機嫌であの子の待つ部屋の扉を開けた。
のはよかったが…
「ご主人様〜vv」
目の前にいたのはあの子ではない謎の子ども。
もちろんスザクは混乱した。
当たり前だろう。
可愛いあの子が居らず、目の前にいるのは見ず知らずの子どもなのだから。
「どちら様ですか?」
スザクは思わず問い掛けた。
そんなスザクの言葉に、子どもは一瞬目を見開いた。
そして、自分の姿を確認して、『あぁ』と納得したように手を叩いた。
スザクは何が何だかわからない。
が、次に続いた子どもの言葉でさらに混乱を来すこととなる。
「ご主人様。僕はトトです!」
……はい?
思考が止まる。
そして次の瞬間には、
「えええぇえええぇぇぇ!!!???」
スザクは、自分の声限界いっぱいに叫んだ。