短編
□パニック★パニック
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ルルーシュは暴走する。
愛する者(スザク)の為に!!
『パニック★パニック!』
その日は確か清々しいほどの晴天だったはず…だった。
このお方が現われるまでは…。
ゴゴゴゴゴゴ
そんな音でもしそうなオーラを出していらっしゃるこのお方。
そう、ルルーシュ・ランペルージ様がいらっしゃったことで、その辺一帯のみが暗黒の雲に覆われていた。
「えー…と…。何でそんなに機嫌が悪いわけ…?」
不機嫌まっしぐらなルルーシュに話しかけたのは、かなりビビリながらも勇気を振り絞った悪友(下僕?)なリヴァル。
あんた、偉いよ。
周りの人間誰もが思った。
でもルルーシュはそんな勇気を振り絞ったリヴァルをかるーくスルーし、憂いを帯びながら溜息をついた。
何だよおまえ。
リヴァルは心の中で突っ込んだ(だって声に出して突っ込んだら後で何されるかわかったもんじゃない by.リヴァル)
が、そんなリヴァルの心のツッコミなど知ったこっちゃないルルーシュは、再び溜息をついた。
そして、彼のこの不機嫌オーラの原因たる事柄をその溜息と共に漏らした。
「スザクが…今日は来ない」
あぁ。
周りの人間は納得した。
スザクとはルルーシュが愛して愛して愛して(エンドレス)止まない幼馴染のことだ。
ルルーシュはスザクを何よりとし、スザクが絶対だった。
彼に手を出したものはルルーシュに釘バットで殴られ、彼を罵ったものは後日精神喪失状態で発見される。
つまり、スザクに何かしたものは、ルルーシュからの手痛い仕打ちが待っている。
これはスザクが転校してきてから3日で、全校生徒の周知の事実となっている。
そして『枢木スザクに手を出すな』は、もはや校則となりかけているくらいである。
枢木スザクが転校してきてから被害にあった人間は数知れず。
彼の周りには事件(ルルーシュ)が必ずあり、周りの人間が心休まる日はなかった。
そんなスザクが来ない。
周りの人々は思った。
『今日一日は平穏に暮らせるかも!』
だってルルーシュが暴れる原因たるスザクが居ないのだ。
だったらルルーシュが暴れる理由はない。
ブラックなオーラが流れているが、直接的な被害はない。
だから今日一日は平穏に暮らせる。
誰もがそう思った。
が、その淡い夢は後にぶっ壊されることになる。
しかも最悪の形で。