短編
□君に一直線!
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少女たちの夢は終わらない
王子様な彼がいてくれるかぎり!
『君に一直線!』
ルルーシュは憂いを帯びて、窓の外を見詰めていた。
その姿に、少女たちはうっとり頬を染める。
美少年が物憂げに外を眺めている姿は、少女たちにとって見ればそれはそれはもう美しいもの。
憂いを帯びた儚げな横顔。
そっと溜息をこぼす唇。
微かに伏せられた瞳。
こんなのが目の前にいたら目線が奪われるのは当たり前。
少女たちは思考を爆発させながら、ルルーシュをうっとりと眺めていた。
「ルルーシュ君…本当に素敵ね」
「えぇ…あの憂いを帯びた横顔…ホントに素敵vv」
「でも、何があんなに彼を苦しめているのかしら…」
「私たちがその不安を取り除いてあげたい…」
少女たちは各々妄想を爆発させながら、ルルーシュを心配げに見る。
そんな視線を向けられているルルーシュは、そんなことをまったく気づかず、今だ窓の外を眺めている。
少女たちはひたすらうっとり眺めてた。
美少年なルルーシュを。
で、その当事者たるルルーシュの頭の中といえば…。
『スザク…今おまえはどこにいるんだ…。ちゃんとご飯食べてるだろうか?苛められたりしてないだろうか?悪い奴に襲われていないだろうか…?凄く不安だ…特に最後が…。
あぁ…スザク逢いたい…おまえに会いたい…逢いたい会いたい…スザクスザクスザクスザク(永遠に続く)』
と、まぁ見事にスザクが回っていた。
ルルーシュはスザクを想い、そっと溜息をこぼす。
その姿に少女たちはまた魅入られた。
それはルルーシュとスザクが再会する数ヶ月前のお話。
まだまだ少女たちが夢を見ていた頃だった。