シュバルツ短編
□Zartheit
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あなたの優しさが
嬉しい
『Zartheit』
奏はぼんやり空を眺めていた。
今日は特に誰かが襲ってくるということも無く。
特に何もすることが無い。
いつもなら忙しないくらいなのに。
だから、暇で暇で仕方ない。
その暇を持て余し、今さっきまでは本を読んでいた。
でもすぐ読んでしまった。
普段の奏なら、もっと時間がかかるはずなのに。
暇なせいだろうか。
普通なら有り得ないくらいすぐに読んでしまった。
そして現在。
(暇だ…)
奏はその暇を持て余すように空を眺めていた。
別に何かを見ているわけでもない。
ただ、本当に。
眺めているだけ。
雲が流れて。
空が青くて。
(暇だな…)
結局、そう思った。