シュバルツ短編
□Kuchen
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ふわふわマシュマロ
さくさくクッキー
ころころチョコレート
ねぇ、どれが一番あまい?
『Kuchen』
奏は両手いっぱいにお菓子を抱えて走っていた。
なぜかというと。
「これだけあれば、ケヴァンのお腹でも足りるよね」
ケヴァンに差し入れするためだった。
ほんの数分前。
ケヴァンは怪我を負った。
疲れもあったためか回復が遅く、その為にケヴァンは食事をとって回復を早めるという行動に移った。
奏はせめても、と思い何か食べ物を運んでこようとケヴァンに何を持ってきて欲しいか尋ねた。
するとケヴァンは意外にも『お菓子』を所望してきたのだ。
本人曰く、『疲れているときには甘いもの』がいいらしい。
確かに、聞いたことがある。
なので奏はケヴァンの求めるまま、お菓子を用意した。
…多少多すぎる感じもするが、アイザックの前例もある。
怪我を早く治すために、大量に食事を取るのだ。
だから奏はできるだけ多めにお菓子を用意したのだ。
両手いっぱいのお菓子を落とさないように気をつけながら、奏は目の前の部屋に飛び込んでいく。
「ケヴァン、お菓子用意したよ!」
そして、その勢いのままケヴァンの腕にお菓子をなだれ込ませた。