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□さようなら、また逢う日まで
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あのリング争奪戦から、10年という月日が流れた。相変わらず、俺たちはボンゴレの暗殺部隊の一員を続けている。これからもずっと続いていく、・・・ハズだった。








「・・・は?もっかい言ってくんない?」
「同じこと言わせんじゃねぇ。俺だって言いたくて言ってんじゃねぇんだよ、こんなこと・・・。」
「だって・・・え?」


『マーモンが死んだ。』


それは、自分が死刑宣告を受ける以上の衝撃。
前髪に隠された目を見開いて、小さく頭を振る。

「・・・嘘、っしょ?ねぇ、スクアーロ・・・?」
「・・・・・・。」

無言の肯定。
もう10年以上の付き合いになるスクアーロの顔を見上げれば、そこそこに整ったその顔は悔しそうに歪んでいて。ベルは視線を床に落とすと、小さく「そっか・・・。」と呟いた。











『なぁなぁマーモン。』
『なんだい、ベル。』
『俺、マーモンが欲しい。』
『・・・・・・。』
『俺のものになってよ、マーモン。』
『・・・僕は高いよ?』
『ししっ、任せとけって!だって俺王子だもん♪』
『はいはい。知ってるよ、王子様。それで、王子様は一体いくらで僕を買ってくれるんだい?』
『ん〜、じゃあさ。』
『?』
『残りの俺の人生全部、なんてどぉ?』
『・・・ベル、君どこでそんな殺し文句覚えてきたんだい?』
『そんなのどこでもいいじゃん。で?答えは?』
『ま、悪くはないね。買われてあげるよ、ベル。』











好きだった。
大好きだった。
かわいくて、強欲な君。
まだ、君にあげた人生の半分も使っていないのに。

「俺が買ったのに、俺の知らないトコで勝手に逝っちゃうワケ?相変わらずムカつくチビ・・・」



どうして、俺も連れてってくんなかったんだよ?
マーモンがいない世界で生きてけって?そんなん無理だってーの。だって俺はさ、本当に好きだったんだ。マーモンのこと。



「・・・あ、そうだ。」

ベルは再び顔を上げ、スクアーロを見上げた。

「ね、俺殺してくんない?」
「!?何、言って・・・」
「だからぁ、マーモンがいない世界に興味とかないから。でも自分で死ぬのもなんか嫌だし。」
「・・・本気か?」
「冗談に見えんの?」
「・・・バカがっ・・・!!!」






この世界も退屈しなくて嫌いじゃなかったけど、それはマーモンがいてくれたから。
そういや、マーモン言ってたっけ。人は同じ生を無限に繰り返すって。ってことは、俺また王子?じゃあ、また買ってやるよ マーモン。何回でも、何十回でも。
だって俺王子だもん。










END

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