集積場

□If I never see your face again…(連載中)
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願うのは
望むのは
ただ一つ
二度とは
叶わない
想いだが
ただ、
ただ、
あなたを…




オレに笑いかけてくれないか。

今までオレには向けてくれなかった、アンタの心からの笑顔を。

とうとう視神経がイカレちまったこの目は、アンタの姿をちらりとも脳内に届けてくれねえが。

それでも。

オレの眼前に広がる暗闇の中瞬くのは、記憶の中のアンタの横顔。
笑って誰かを見つめる顔。
オレを見てはくれない。

どうか見てくれ……オレを。

アンタを心から愛している男を……。





僕を見る貴方の目は、いつも僕に何か言いたげで。
その視線を感じる度に、僕は心の内をさらけ出してしまいたいと思っていました。

失明なんて、酷いです。

貴方に、伝えたいことも、見せたいものも、たくさんあるのに。

貴方だけに、僕の全てを捧げているのに。

ただ外の光を反射しているだけの…ガラス玉のような貴方の目は…辛すぎる。
少しも焦点の合わない、生気の無い貴方の目は…。

愛しています、と。

なんで早く言わなかったんだろう。
貴方と見つめあって、言いたかった。
気恥ずかしい、なんて理由で貴方の目を見つめられなかった事を、僕は後悔している。

まだ、間に合いますか?

貴方にこの想いを告げることは許されますか?

告げることは貴方に負担になるかもしれない。

でも…もし。貴方の支えになれるなら……。





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