濃藍の海
□撫でる
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10分休みごとにダチの机に集まる、なんてのは、はっきり言っておれの性分ではない。
だが意外にも、おれの恋人、トラファルガーはそうではないらしい。
人と群れることを嫌いそうなのに、休み時間の度、おれの一つ前、キャスケットの席に来るのだ。
そうすると自然とペンギンやキラー、ドレッドまで集うから、この席に席替えなってからというもの、おれは45分ごとに睡眠妨害に合うようになった。
(まー、けど。毎回楽しみではあるんだよな)
トラファルガーはいつも、おれの机に浅く腰掛ける。
つまり、机に突っ伏すおれの目の前に、愛しい愛しいトラファルガーの尻が来るのだ。
多少睡眠時間が削られようとも我慢できる。
……いや、むしろウェルカムだ。
(それにしても不思議だよなァ)
色気も素っ気もない、黒い学制服に包まれた尻。
さっきなんて、さらに色気のない学年色(ダッサい青)のジャージに包まれてた。
それなのに。
言いようもない色気を放っている、ように見えるのは何故なんだろう(ちなみにトラファルガーと付き合う前、相談のついでにキラーにそう言ったら、「おまえの目の方が不思議だ。一度眼科か脳外科行ってこい」と言われた)。
(あー、触りてェ、なあ)
体育の時間は自重した。
下手したらそのまま倉庫に連れ込んじまいそうだったから。
だがもう我慢の限界だ。
指一本で、目の前の尻をスゥ、と撫で上げる。
気づくか、と目を上げるも、反応なし。
次、指二本。
机に接してる谷間に潜り込ませ、スルスルと撫でる。
キュ、と締まったので目を上げると、責めるような視線とぶつかり、ニッと笑って見せた。
「ちっと便所行ってくるわ」
何気なく指を退かして席を立ち、後3分だぞ、というキラーの言葉に肩を竦める。
「おれも行く」
トラファルガーもぼそりと呟いて、2人で教室を出た。
廊下で擦れ違った先公が何か言いたげに口を開いたが、おれとトラファルガーの睨みに溜め息を一つこぼしてそそくさと教室に向かい。
おれ達はトイレを素通りし、屋上へと向かった。
屋上の壁には、何故か知らないが座るのにちょうど良い出っ張りがある。
おれはそこに浅く腰掛け、向かい合うようにトラファルガーをおれの膝の上に座らせた。
手のひら全体でゆるゆると尻を撫でると、やはりその感触は格別のもので。
おれはうっとりと、その感触を堪能した。
「ユースタス屋の変態」
腰を揺らめかせたトラファルガーは、おれの髪をくしゃりとかき混ぜてくすくす笑う。
「尻フェチの目の前に毎度尻を突き出しといてよく言うぜ」
「んー、だってユースタス屋の手、気持ちいいんだ」
包み込むように撫でると、うっとりと息を吐く。
その表情と感触とに、だんだん血液が一点に集中してきたおれは、軽く尻を叩いて、別世界に飛びかけていたトラファルガーを呼び戻した。
「世界史の次は?」
「んー、古典、かな」
「サボりで良いな、トラファルガー?」
「聞くだけ野暮だろ、ユースタス屋」
にんまり笑みを交わし、おれ達はお互いのファスナーに手を伸ばした。
fin.
あれ?
撫でる要素少なかった;
そして蛇足ですが、もちろんローさんはわざとキッドの机に腰掛けてますよ。
ザ・誘い受けvV
えー、何はともあれ、ローたん美尻倶楽部宣伝企画お題「2.撫でる」は以上です!
お粗末様でしたぁぁあ!
2010.09.17.