深緑の国

□夕涼み
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今日も暑い。
もう9月も半ばなのに、日差しはまだ夏。

こんな日は、休みの日恒例となったドライブをする元気すら無くて。
ゴドーさんの家で、怠惰な一日を満喫していた。

昼は珍しく僕が作った。…まあ、簡単なパスタ料理だったんだけど。
腹が満足した後は2人でソファに座り、秋らしく読書をしていたのだが…いつの間にか僕は、彼の膝を枕に昼寝をしていた。



「まるほどう、チョイと起きな」

3時を少し過ぎた頃、その枕が不意に揺れ、僕は少し不機嫌に目を開いた。

「折角の連休だ。明日は車を出すだろう?ちょいと車を洗ってくるぜ」

「あ、いいですね。手伝いますよ、僕も」

寝ぼけた体を起こし、ソファの上でぐぐんと伸びをする。

「…アンタそうやってると、まるっきりコネコだな」

失礼な事を言う男の腕に軽く爪を立ててから、早く行きましょうよ、と促した。



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