09/26の日記
00:15
クロユリ(ゴド→ナル)
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クロユリ【恋】
初めてその花言葉を知ったときは、いっそ毒々しいほどに見える黒紫色の花の花言葉が「恋」だなんて…面白いこともあるものだ、と思った。
もっと可憐な花にこそ似合いそうなものだが、と。
だが、もし。
今オレを苛むこの感情が「恋」だというなら、似合いの花といえるだろう。
隣で真宵と話す男に対する、この感情は。
可憐な恋ではなく、かと言って、愛情という程の深さでもなく。一方的な、執着のような…だがやはりどこか甘い、不確かな感情。
「…ゴドーさん、どうしました?」
「神乃木さん、体調でも悪いんですか?」
ふと気づけば、二揃いの黒い瞳が、不思議そうに、少し心配そうに、こちらを見ていた。
「いや…おじょうちゃんが持ってきたクロユリを眺めてただけだぜ」
テーブルの上で揺れる花を、ちょんとつつく。
「あ、これ、裏山に生えてるんです!お姉ちゃんもお母さんも大好きだったらしくて」
嬉しそうに真宵が手を合わせ、にっこり笑った。
「へえ…あ、そういえば千尋さん時々デスクに飾ってたなあ。おもしろい花ですよね」
「クッ……ならば知ってるかい、この花の花言葉を。オレもチヒロに教わったクチだが…」
挑戦的に促すと、得意げに胸を張って、真っ直ぐとこちらを見て男は答えた。
「恋、ですよね」
その顔を見て、言葉を聞いて。
やはりオレはこの男に恋をしているのだと、はっきり自覚してしまった。
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くっつく前。
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