09/27の日記
14:47
キュウコンベゴニア(7thBV)
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キュウコンベゴニア【親切な】
アーウィンは優しい、と思う。厳しいことや冷たいことを言うときもあるし、表情が読めなくて何を考えているのかわかんないこともあるけど、でもやっぱり。
基本的に優しいヒトだ。
「アーウィン」
窓からあの湖を眺めていたアーウィンは、私の呟きに、ゆっくりと振り向いた。
「何ですか、レナ」
明後日には‘村’に向かう。それから私とアーウィンが一緒にいられるかは、わからないんだそうだ。
このヒトが、冥使だから。
「体調は、どう?」
「私は何ともありませんよ。レナこそどうです?」
「私?私は…」
平気、とも言えるけれど。
私は黙ったまま立ち上がり、窓辺にゆっくり歩み寄った。
「まだちょっと…」
もう少しだけ、私の優しい教育係に甘えたくて、その薄い背中に抱きつくと、呆れたような、けれど仕方ない、とでも言いたげな吐息混じりの笑い声が聞こえた。
背後、ドアの傍にフレディがいるのを感じる。
フレディも優しくて、そして親切だ。
アーウィンが、近い内に離れ離れになる可能性をお首にも出さないのに痺れを切らして、そして知らないままでは私が傷つくと判断して、こっそり私に教えてくれた。
そして、今も。
何も言わず、静かにこの場を去ってくれたようだ。
親切で優しいこの人たちと、離れたくない。
私はアーウィンに抱きつく腕に力を込めた。
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