白紙の手紙
□大切なこの日を貴方と二人で
1ページ/7ページ
貴方の事をずっと待っていられるのは―――
『大切なこの日を貴方と二人で』
「三蔵、遅いなぁ…」
そう溢したのは何度目か。日はとっくに沈んでしまって、代わりに空には月が浮かんでる。
「ねむ…」
時計の針が今指しているのはいつもは寝てる時間。
それでも悟空は眠ろうとはしなかった。
(もう少し…あとちょっとだけ…)
「きっと…もうすぐ、帰ってくるよな…」
何度も繰り返し自分に言い聞かせるように悟空は同じ事を呟く。
かぶっている布団をより強く握りながら。
月の光だけが明るかった。
.