公報チーム活動
□レーダー基地
1ページ/3ページ
最後に見たのは
この世界で俺が最も愛した人の姿だった。
腹が熱い。
喉の辺りがぐるぐるしてる感じがして気持ち悪い。
「アパム!予備袋と水を持ってこい!!」
中隊長が叫ぶのと同時に頭があげられて何かの上に乗った。
「アーウィン…」
見るとジャクソンの顔が真上に。
ジャクソンの膝の上だ。
なんでファーストネームで呼ぶんだ。
縁起悪いじゃないか。
「助かるって
病院船で帰国できる」
メリッシュが呟く。
ホントにそんなことが?
「脚を…」
思った以上に声が出なくて、そして思った以上に掠れてたからこれはもしかしてもう駄目なんじゃないかと考えると無性に悲しくて寂しくて苦しくて。
「誰か脚を、」
手が怖いくらい痙攣してる。
傷口を見たら穴から血が溢れ出てるのが分かって余計に気分が落ちた。
血が止まってくれない。
「脚を、上げてくれっ」
ようやく気付いてもらえたのか急いで脚が上げられた。
「俺の声が聞こえるか?」
中隊長の手が腹に。
「モルヒネを打つからな」
軍曹がそう言って、腿の辺りに微かな痛み。
「重傷…ですか」
みんなが『大丈夫』と、『助かるさ』と。
本当にそうなら、それが嘘でないなら、
お願いだ、せめて
せめてジャクソン
そんな顔しないでくれ。
,