―チッ、シケたツラァしてんじゃねぇーよ!
お前はそれでも野球やってたタコか!!





本日ハ快晴。
『山ノ井と青木の見送りパーティーに参加中の本山の心』ハ局地的豪雨ニ見舞ワレルデショウ。





パーティー会場。
山ノ井圭輔と青木毅彦が隣同士、仲睦まじく2人で会話するのをチラと横目で見るや否や、まるで心臓が鎖で八方から縛られている様な、そんな胸の苦しさを覚える本山。


大好きな人が、
自分以外の他の誰かと結ばれ、遠くへ行ってしまう―



視界に入る山ノ井の嬉しそうに照れる笑顔の先は青木の姿が―
切なさがピークに達してきた本山の目尻には涙が溜まっていく。


なあ、俺まだ、さ
山ちゃんにどんな事よりも大切な伝えなきゃいけない事、、言ってない。



急に蛍光灯のスイッチが切られ、
山ノ井と青木二人のこれまでの軌跡を辿る目的で流れ出したスライドショー。
そんな二人の仲の良いツーショットの後ろに、地味に本山の姿は写っていた。


「今,山ちゃんと過ごしたどんな過去を振り返っても俺は・・・後悔ばかりだ。
もし過去に戻ってやり直せるなら、どんなに良いだろう・・・・・」



と、その時突然、スライドショーが止まり、辺りが沈黙に包まれる……。

と、沈黙の闇の中から・・


「どんだけ未練たれてやがんだあクソッタコがあぁあ!!そんなに戻りたいなら戻してやる!!」


(え―――?今なんて・・・)


「って、ちょおぉおお!!監督じゃないスk『煩っせぇ!タコはタコらしく黙って控えとけぇ!!!!』


(えええええ!!俺一応主役なんですけどおおお!!(^○^;))



声のする方へと目を向ける本山の視線の先には、ひどく懐かしい見覚えのある顔が。

白のクラシカルなタキシードを辛うじて着こなしてはいるものの、
桐青高校時代、お世話になった野球部の監督にしか見えない自称・『フェアリー』の力を借りることにより、

スライド写真に写る過去へとタイムスリップが可能になった本山。


さて、ビッグチャンスを手に入れた本山は、自分の不甲斐無かった過去を覆し、山ノ井の隣でずっと微笑み続ける存在へと駆け上がることができるのか―!?


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