小説

□黒猫と紳士
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PM12:00
携帯と財布を片手に食堂へダッシュ
階段を下りて職員室を曲がり30秒

校内名物『肉さぬきうどん』を購入
手を振りながら4番テーブルで待つ友のもとへ…――

バシャーン

…ん?

何だ?この気持ち良いほどの音は…
ん?そして、スープが零れ落ちる学ラン?

ちょっとそこの人、汗拭いといた方が良いよ〜♪

ん?何故か必死に手を振ってる美咲とちひろがいる…
わかったって〜すぐ行くから…

…あれ?
そういや、肉さぬきうどんがお盆から消えてるぞ?
まさか不良どもめが知らん間に盗んだか?

それは困るな〜。3日で1000円の食事代なのに〜

…どうして皆、私を見つめてるんですか?

あれ…?

よく見るとウォルターズ君が肉さぬきうどんを頭から被ってる〜
よっしゃ―、写メおさえてやるぜ〜

ん?ウォルターズ君、私を睨んでる?
ま、いっか!気のせい気のせい!

「…テメェ……」
「…え?」

てめぇ…?それ私?私だよね!?
ヤダなぁ〜こんな大勢の前で照れるじゃないか、ウォルターズ君…

まって

まって

ま っ て !

私、今…
Mr.ウォルターズに、肉さぬきうどんぶっかけちゃったんだ…

…こ、殺される……

「テメェ…。そこの女!クラスと名前を言いやがれ」
「は、はい。2-C 俵小百合です…。」

ブライアン・ウォルターズ(14)
ハーフで顔立ちが良くて、校内美男子コンテスト10回連続優勝を獲得した人頭も良くて、先生からの信頼も厚い。
女癖と性格は最悪らしいけど…

「2-C 俵小百合ねぇ…
…テメェ、この落とし前、どうやって付ける気なんだよ!?」
「ご、ごめんなさい!
落とし前ですか…?
え、え〜と…」
「まさかこのままって言うわけじゃね〜よな!?」
「え、え〜と…そ、そのまさかで〜す…」

やばい…せめて、クリーニング代でもとか言った方が良かったか…?

「…テメェ、ふざけてんのか!?」
「す、すいません。じゃぁ、せめてクリーニング代でも…」

よし。言った。これで、大丈夫だろう…

「そんなもん、いらね〜よ!」

何を言ってるのこの人…?
じゃぁ、ほかに何をすれば良いわけ…?

「え、え〜っと…じゃぁ、何をすれば…」
「そうだなぁ…」
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