Sugar Nightmare

□No1 夜の夢には甘い甘い罠がある
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夜。
この部屋の主の夕はベッドで眠っていた。部屋には誰も居なかった。
「ん・・・」
目が覚めた。
寝汗がひどい。
「うわ・・・最悪だよ。着替えよ。」

立ち上がると、目の前に何かが居た。


「こんばんは。」


目の前には、人。
俺よりも背丈が少し低い青年。

「あんた、誰だよ。」
殺気も無かったので、俺は青年を睨む。
青年は綺麗な黒髪を月光に煌めかせて、左右で色が違う大きな目で俺をじっと見つめた。
「椿。あんた、一元 夕でしょ?」

何で俺の名前を・・・?

「そうだけど・・・なんで知ってんの?」
青年、椿は俺の顔を見てにっこりと、人懐っこい顔で笑った。
その笑顔はグッと来る可愛さがあった。
「ん〜、後で教えます。長くなりそうっすから。」
「ふ〜ん・・・。
で?何しにきたの?」
「それはやっぱり、夕に逢うため。」
このヤロウ。さっそく呼び捨てかよ。

「夕、俺のパートナーになってください。」

一瞬、ほんの一瞬だけ、頭の中が真っ白になった。

言ってる事が分からないような気がした。微妙に理解できる。
一緒に居ろってこと。

「どうやって?」
普通にはい、オーケーです。ってやるの?訳わかんないよ;
「契約する。
手、貸して。」

椿に言われるまま、右手を差し出す。

椿がさっきとは違う声で、何か分からない言葉を唱えた。

数秒後、椿は俺の手を放した。

「ありがと。俺と一緒に来てくれますか?主(マスター)?」

さっきとは全然態度が違うぞ、オイ;
「いいよ。普通に呼んで。」
「あ、そう?でも、これは決まりっすから。敬語っぽいものは使う。」
意味が分からない。まぁ、お任せとしよう。
「でも、どこに行くの?」
「ちょっと遠く。今、学校も休みでしょ?」
「そうだけど・・・」
「大丈夫!!向こうに行ってても、こっちの時間は進まないっすから!!」
はぁ?
余計わかんなくなってきたよ;

ここは決心しないとなぁ・・・;

「・・・わかった。行くよ。」
椿がぱっと元気になって、笑顔を向ける。
「行きましょう!!」

・・・大丈夫なのかなぁ?
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